進路相談(4)

親が自営業者でなく、勉強が出来ない男子

先ず私は、親の職業や勉強の出来不出来に関わらず、本人の人間性や現時点での音楽レベル、才能等を見極めた上で、音楽に対する情熱や思い入れがどう言うタイプのものか?をよく確かめる。
概ね、以下の3つに分類される。

)とにかく音楽を続けてもっと向上したい
   将来は、出来ればプロになりたい

音楽専門学校へ行きたがる多くの高校生がこのタイプだ。
昔私が講師をしていた時も、学校へ来ていた生徒のほとんどがこのタイプだった。
専門学校の現状を考えると、不景気になって親が金を出し渋り、このタイプの生徒がめっきり減ってしまったのかも知れない。

現在の音楽レベルは低いが、向上心はある。
才能に自信はないが、音楽が好きでたまらない。
勉強の出来が悪いことを除けば、人間性はいたって健全で、問題ない。
結局のところ、こういうタイプの人間が世の中の大半を占め、全ての産業の発展に貢献しているのだ。
しかし、不景気な時代になると、一番呷りを食うのもこのタイプなのだ。
出来ることなら、悔いの残らないように好きなことを思いっきりやらせてやりたいところだが・・・。

)都会に出て、真剣に音楽がしたい
   将来はプロになりたい

高校生としては水準以上の音楽レベルがあり、才能にもそれなりの自信がある。
田舎にいてもどうにもならないから、都会へ出て自分の可能性を試してみたいと言う。
多少思い上がっているところもあるが、人間性は結構マジメで、本来なら何をやらせても人並み以上に出来るタイプだ。
勉強もちゃんとしておけば、普通に大学へ進学して、もっと気楽に音楽が出来たのに・・と残念に思うが・・・。

何事にも、才能、努力、運、の3つの要素が必要で、プロとして成功するには何か一つ飛び抜けたモノを持っていないとかなり難しい。
ポップスやロックなど5~7年も真剣に取り組めば、技術的なモノは誰でもプロレベルの域に到達出来る。
しかし、そこからがもっと大変なのだ。
こういう連中に今何を言っても”馬耳東風”だが、厳しさだけはしっかり伝えておかないと、挫折した時に道を誤ってしまう恐れがある。
音楽専門学校でなくてもいいから、都会へ出てしっかり現実を体験し、色んな勉強をして来てもらいたい。
このタイプは、このままズルズル田舎で音楽やってたら、人間が腐ってしまうように思う。

)プロになることしか考えられない
   その為には何でもする覚悟がある

例えそれが、身の程知らずの勘違いだったとしても、サラリーマン家庭で育った高校生で、ここまで本気で思い込めるバカは珍しい。
しかし、この類の思い込みの激し過ぎるバカは、一歩道を踏み外せば社会に害をもたらす危険人物となりかねないタイプだ。

現実をしっかり受け止められる知性、それを乗り越えられる根性があるのなら、音楽専門学校など行く必要はない。
周りの人間の言うことなど気にせず、今から2年間私の所へ通いなさい。
プロになる為の全てをきっちり叩き込んであげます。
都会へ出て行くのは、それからでも十分間に合いますから・・。

・・とまあ、こんな感じだが、相談者が親の場合とか、彼等を取り巻く更に細かい諸条件、彼等の希望、等によって私の対応も微妙に変わってくるので、これ以上一概に語れない。
例として、相談者が()()の高校生で、親に専門学校行きを反対されている場合の対応を2つ載せる。

私の対応

**親に経済的理由で専門学校行きを反対された場合

とりあえず就職して自分でお金を溜めなさい。
一年働けば、100万円以上は溜まります(フリーターでは無理)。
働いてる間も、地元の仲間と音楽活動は続けられますし、一年もあれば確実に君の音楽レベルも上がっているはずです。
人生にとって一番大事なのは”出会い”です。
音楽専門学校も同じです、自分のレベルが低かったら同じような連中としかツルめません。
上を目指したかったら、多少遠回りでも自分をもっと高めてからのほうが有利なのです。
辛いかもしれませんが、浪人して大学へ入るのと同じだと考えればいいのです。
フリーターは薦められません、就職して、一年ちゃんと働いたら得るものは大きいと思いますよ。

**親に将来の就職難を理由に専門学校行きを反対された場合

確かに、音楽専門学校卒業という学歴は、一般企業や地方の中小企業へ就職すると言う意味においては何のメリットもありません。
地元で就職するということに限定するなら今、学校が推薦してる会社以上のところへ就職するのは今後も困難だと思われます。
しかし、プロミュージシャンになるのは夢としても、都会へ出て行けば楽器&ショップ系、イベント企画系、スタジオ系、メディア系等の音楽関連の会社が沢山あって、そこへ就職することは夢ではありません。
そこで働く人達も昔(今も)バンドをやっていたような音楽大好き人間ばかりです。
田舎で生まれ育ち、ほとんど外へ出たことがないような親は、歳は食ってても世間知らずで、視野が非常に狭いからそういう業界のことは分からないのです。
そもそも音楽専門学校へ行く=将来一般企業へは就職しないことを前提としている訳ですから、”プロミュージシャンを目指す為に音楽専門学校へ行くのではなく、都会の音楽関連の会社へ入る為の就職活動として行かせてほしい”と言う方向に話を持っていきましょう。
それでも反対されるようなら、自分でお金を貯めて家を出て行くしかありませんね。

ってな感じになる。

次回最終、進路相談、中卒者及び高校中退者、精神に異常をきたしている者、へ続く。

by Naoki

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